移築京民家と新築京民家各メディアで報道された、京町屋振動台実験の05年11月11日の公開実験を見学しました。

 京町屋は、典型的な伝統構法木造住宅であり、まちなみ景観と併せて保存への取り組みがなされています。今回の実験で移築されたものは昭和7年に建てられた、築72〜73年というものでした。古民家はこれより古いものが一般的で、中には200年を超えるような歳月を経て現在に至るものもあります。

 また、古民家の多くはこの伝統構法で建てられていることや、今回実験で使用されたものよりも大きな部材を用いられている事も多く、地震に対しても有効な構法で建てられているといえます。

 今回の実験の主目的である伝統構法住宅にあった耐震補強を施していくことが、私たちに、より安全でより快適な住環境をもたらしてくれるだけではなく、今後更に100年、200年経っても、伝統ある住宅『古民家』を後世に引き継いでいくことが出来るのではないでしょうか。

 

 

 

E-ディフェンス内部

実験の概要

実験名称:京町屋振動台実験 第3ステージ

日時:平成17年11月11日

場所:(独)防災化学技術研究所 兵庫耐震工学センター E-ディフェンス


目的:@京町屋の振動特性と耐震性能を明らかにする
     A既存京町屋の耐震補強を検証し、耐震補強法の指針を提案する
     B新しく建設する京町屋の耐震設計法を検証する

※京町屋の振動台実験による研究成果は、京町屋のみならず、多くの地域に現存する町屋にも適用し得るものであり、伝統構法に適した耐震性能評価と、それに基づく耐震補強法ならびに耐震設計法の提案など、研究成果の普及を図る


実験方法:実験は、京町屋の移築建物と新築建物の2棟を実験のための試験体として用いる

移築京民家:昭和7年に建設された京民家を解体・移築した。なお、増改築部分などは本来の姿に復旧し、傷みが顕著な材は更新した。実験の第1ステージでは無補強で、第2ステージ以降は耐震補強を施して実験を行なう

新築京民家:移築と同じ規模の京民家であるが、両側壁通りの半柱を本柱に、大壁を真壁に、柱-梁接合部など仕口部は変形性能の大きな仕様に変更・改善を加えて新築

←移築された京町屋
京町屋をもとに新築された町屋→

 

神戸新聞掲載記事(平成17年11月11日朝刊)

耐震補強の効果確認

三木の振動施設 初の公開実験
三木市の実大三次元施設(E-ディフェンス)で、十日、実物の木造住宅を使った公開実験が行われた。市民ら約六百人が見守る中、京都市から移築された京町屋と同じ構造で新築された住宅の計二棟を震度六弱程度の地震道で揺らし、比較した。
 防災科学技術研究所(茨城県つくば市)と京都大が文部科学省の「大と次第震災権軽減化特別プロジェクト」の一環として実施した。
京町屋は一九三二年築の二階建て、実験に合わせ、パネルやはしご型フレームを壁に取り付ける簡易な耐震補強がされ、新築住宅は現行耐震基準に会わせ建てられた。
 実験では震度六弱程度の地震動を水平方向に与え、各棟に約三百個ずつ設置したセンサーで揺れ幅などえお図った。その結果、京町屋は補強効果では倒壊しなかったが、左右に計四十箇所揺れ、土壁に亀裂が入ったり一部が剥がれ落ちた。一方、新築住宅は揺れ幅が三十センチにとどまった。
 実験を率いた鈴木祥之京都大学教授(耐震工学)は「京町屋と同じような住宅は全国に多くある。効果的な耐震設計や補強の方法考えたい」と話していた。

【実験前】移築された京町屋 【実験中】阪神大震災クラスの 【実験後】大震災にも耐えうる
【実験前】移築された京町屋 【実験中】阪神大震災クラスの
揺れに耐える京町屋
【実験後】大震災にも耐えうる
伝統構法木造住宅

 

 

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